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【読書感想#6】嫌われる勇気 by岸見一郎、古賀史健

今回は超ベストセラーの『嫌われる勇気』です。

2013年に発売されて2020年9月現在で世界累計で500万部以上売り上げているとんでもない本です。

出版不況もなんのそのの驚異的な売上のこの本、まだ読んだことないって方はぜひ一度読んでみて損は無いと思います。イラストレーター・フリーランスの見地から感想をまとめてみました。

こんな人におすすめ
  • 人間関係に悩んでいる
  • 過去に縛られて行動できない
  • 他人の評価がどうにも気になる

そもそもアドラーってどんな人?

オーストリア出身の精神科医、心理学者、社会理論家。ジークムント・フロイトおよびカール・グスタフ・ユングと並んで現代のパーソナリティ理論や心理療法を確立した1人。Wikipedia

心理学といえばフロイトやユングが有名です。自分も子供の頃に夢分析の本を読んでユングにハマった時期もありました。

そのフロイト、ユングと並ぶ「心理学の三大巨頭」の一人がアドラーです。フロイトとユングは師弟的な関係にありましたが、アドラーは袂を分かち「個人心理学」というジャンルを確立します。

この個人心理学というのがなかなか強烈ですぐに実践しがたい側面もありますが、それが故にここまでの超ヒットで受けいられたのかもしれないです。

全てはこのブログで解説できないので自分が気に入った(気になった)ポイントを抜粋していきますね。

過去は変えられる


過去について悩んでいる人も多いんじゃないでしょうか。

自分で選択して失敗した過去もあれば、いじめや虐待など不本意な出来事で苦しんだ過去もあったり、これらは変えられない出来事として刷り込まれてしまいます。

しかしながら、アドラーは過去は変えられると提唱しています。

原因論と目的論

厄介な過去について考えるときフロイトの「原因論」とアドラーの「目的論」があります。

「幼い頃に虐待を受けたから自室に引きこもってしまっている人」を例にすると、

「過去に虐待された経験があるから引きこもってしまう」と考えるのが「原因論」です。確かに肯けますが解決策は提示していません。
一方、過去に虐待された経験が影響しているにせよ「目的があって自分で引きこもる選択をしている」と考えるのがアドラーの「目的論」です。

引きこもっていれば心配する両親の関心を引き留めていられる、社会に出てしまえばその他大勢の一人になってしまい誰一人自分に関心を持ってくれない恐怖がある。

つまりは目的が行動を決定付けているので「目的を変えれば問題も解決できる」という強制的なロジックですが原因論より建設的です。

過去それ自体は変えられない事実ではあるけど、解釈は自由に変えられるという考え方にもつながります。

自分も過去に縛られた

自分で言うと美術系の学歴がないことが20代の大きな悩みでした。「美大に行っていないからイラストレーター としては成功できない」という若さゆえのかなり極端な思い込みです。笑

目的論に照らし合わせてみると、そうやって過去を慰みにしていれば行動を起こさなくても良いという自分への免罪符になります。

美大に行けなかったのがコンプレクスなのであれば、イラストレーターとしてガンガン営業して実績を積めばいいですよね。行動で挽回できうる問題です。

しかしながら当時の自分は過去の損失に縛られすぎて積極的に行動に移せませんでしたが、今思うとかなり滑稽です。笑

あと、学歴がないことは良い意味で美術的なこだわりがあんまりないのでフットワーク軽く行動できるのも利点かなと、この歳になっても思ったりもします。(美術系に関わらず学歴が変なプライドになって行動を起こせない人も多くいます。)

こんな感じで「過去のコンプレックス」は解釈次第で有意義に変換できるという考え方はポジティブで気に入っています。

すべての悩みは対人関係にある


アドラー心理学では悩みは全て対人関係に帰結するという考え方です。

人間関係の悩みって多いですが悩み全ての原因になっているとは意外でした。

これも頭の片隅に置いておけば生きやすくなるヒントになり得ますのでざっくり紹介します。

自分と相手の課題を分ければ悩まない

肝になるのは「課題の分離」と言う考え方です。

宇宙にただ一人ポツンと存在するのであれば、他者との比較は生まれないので劣等感もなければ対人関係の煩わしさも感じない、そもそも自分以外が存在しないので孤独感も感じない、と言うのはかなり想像も難しい極論ですが、誰もいないのだから悩みようがないわけです。

例えば友人や恋人に対して良かれと思ってやったことに対して自分の思っていたように反応してくれないことって結構ありますよね。

でもそれは相手がどう捉えて行動するかは相手の課題なのでこちらはコントロールできないので悩んでも仕方がないのが「課題の分離」です。

つまり相手は変えられない、変えられるのは自分だけ。

かなり振り切った考え方ですけど、こう思っておけば変にヤキモキしなくて済むし、相手の反応に期待せずに「相手のことを考えた行動」ができそうです。(実際はなかなか難しいですけど)

他人の人生を生きてはいけない

また対人関係についてアドラー心理学では「承認欲求」も否定しています。

他人や相手からの評価を目的として行動するということは極論的に自分の人生を生きていないということにつながります。

これは結構すんなり入ってくる考え方じゃないでしょうか?

現代的に置き換えると、SNSの関係性なんかは承認欲求を得やすいケースです。本来は自分本位に自由に発信していいはずが、フォロワーからの反応が気になってやがてフォロワーに受けそうな投稿を意識してしまうことってありがちです。

もちろんSNSって相互性が面白さでもあるから否定しませんが、行きすぎるとちょっと危険です。

これも、自分の行動と相手の反応(評価)を分離することが推奨されています。

うーん、頭で理解できてもすぐ行動に移すのは難しそうでもありますね。。

まとめ

アドラー心理学はかなり大胆で劇薬的な強烈さはありますが、論理的には腑に落ちる考え方で自分としては結構影響されました。

今回紹介させてもらった内容以外にも、例えば「人生とは連続する刹那」という言葉にも惹かれました。

今この瞬間しか存在しておらず今の生き方によって未来は変貌するし過去の意味すら変わってしまう、という意味です。

なので過剰に過去に縛られたり未来を不安がったりするのであれば、目の前のことに没頭することが解決策になるというふうに結ばれています。

これってすごくシンプルで力強い言葉で気に入っています。

今回はイラストレーター的な見方で感想を書いてますのでちょっと脱線もしていますので、ぜひ機会があれば原書を読んでもらえたら嬉しいです。

アドラー心理学の関連書籍は無数に発刊されていますが、まずは「嫌われる勇気」が読みやすいと思います。