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【読書感想#3】ミライのつくり方 2020-2045 僕がVRに賭けるわけ by GOROman

プレーステーションVRとかオキュラスリフトとか「VR(ヴァーチャルリアリティ)」って言葉はよく耳にしてはいるんですが、実際どうすごいのか?これからの社会にどう影響していくのか?までは全然わかってませんでした。

なので近所の図書館で見つけて、VRについて最近書かれた本(2018年2月)でもあるしちょっと読んでみようと借りてきました。

白地に文字だけの装丁に、GOROmanって人も知らなかったので正直読み終えられるか心配だったんですが、これがかなり面白かったです。なので感想をブログに残しておこうと思いました。

まずこのGOROmanって人がすごく面白かったです。


著者のGOROmanさんは本のタイトル通りVRのクリエイター・開発者ではあるんですが、元々プログラマーでゲームクリエイターとして就職した後株式会社エクシヴィというゲーム開発の会社(↑ウェブサイトを見たらゲーム開発よりは完全にVRコンテンツ開発に舵を切ってました)を立ち上げたり、その後オキュラスの日本法人を立ち上げるべく奮闘しFacebookの社員になったり(のちにエクシヴィの代表に復帰)、はちゃめちゃな経歴を読んでるうちにどんどん引き込まれていってしまいました。

1975年生まれで父親がエンジニアということもあって、当時のゲームやパソコンなどの名称織り混ぜての回顧シーンも、どこか昭和のノスタルジーを感じて楽しく読み進められました。

インターネット以前の「パソコン通信」ってのも良く聞くけど、ネットじゃないネットワークって何?と思ってたんですが、その辺りも詳しく書かれていて勉強になりました。インターネットが一般家庭にも普及し出した頃って電話回線繋いでたよなーとか、電話の回線を引っ張るのに何万もかかったっけとか、個人的にも思い当たる節もあって懐かしくもなりました。

VR(オキュラス)登場に真っ先に食いつく

本の画像の帯に写っている人物がオキュラスの創設者の一人、パルマー・ラッキーです。超天才とのことですがその発想の凄さは文章ではちょっと自分は理解が難しかったので気になる方はぜひ本書をお読みください笑

自分の好きなことには徹底的に熱中するような、典型的なギークでオタクな感じで、人柄は温厚でいい奴そうな感じで書かれています。このギークっぷりはパルマー・ラッキーの名前でググると色々出てきます。

そのパルマー・ラッキーは初期オキュラスのマシンをクラウドファンディングで開発費を募るんですが、それに出資した数少ない日本人の一人がGOROmanさんでもあったわけです。当時はそこまでVRに関心があったわけではないようですが、このマシンの革新性にショックを受けどんどんVRの世界にハマっていくというような流れです。

その後仲間たちと渡米し、なんとパルマー本人にも接触に成功し、オキュラスの日本法人(支部)を懇願するような流れになっていくのですが、この辺りもちゃめちゃでめっちゃ面白いです。ドラマとか映像コンテンツ化できるんじゃないかってゆうぐらい波乱万丈なのでぜひ読んでみて欲しいです。

キモさがなくなれば世間に受け入れられる「キモズム」理論


ここまで読んできて、VRってすごい革新的な技術みたいだけど、ゲームとかエンタメの印象が強いというか、この本のタイトルの「ミライのつくり方 2020-2045」ってゆうのが気になってきます。

その辺り後半ではFAQ形式でみっちり書かれています。

かくゆう自分もあのでっかいゴーグルみたいなのってそんな普及するかな?って思ってる一人です。ゲームとかの用途ならまだしも、今のスマホみたいに生活に根付くとはちょっと考えづらい。。

この辺りはGOROmanさんの発案の「キモズム」という指標が使われて解説されています。(ジェフリー・ムーアのマーケティング理論キャズムをベースにもじっています。)

どんなにイノベーティブなものも、「キモい」って世間的に感じられなくなって初めて普及する、という考え方です。例えばiPhoneも登場当初はマニア向けのガジェット(自分も3GSからのユーザーですが、当時は何それ?って目が結構ありました)でしたが、その実用性や洗練されたデザイン、おしゃれな広告戦略などが相まって今や当たり前な存在に定着しました。

VRのでっかいゴーグル(ヘッドマウントディスプレイと言います)も「なんかキモいな…」って印象が一般的だと思います。このキモさを実用性やデザインで払拭できれば加速的に世間にも普及するだろうという考え方が「キモズム」です。Googeleグラスみたい感じとかドラゴンボールのスカウターみたいなになったらちょっと普段で使ってみたいです。

これからの社会へのVRの影響ってどうなるの?

VRになることで物理的な制約が撤廃されると、今までの生活も一変するだろうというのが著者の考察です。その普及の目安が2020年から2045年ということですね。

例えば仕事をする環境が会社である必要がなくなると、そもそも苦しい思いをして毎朝満員電車に揺られなくても良くなるとか、ミーティングなんかも今みたいにZOOMよりはそれぞれのアバターを使ったよりコミュニケーション要素の強いものになるかもしれない、などなどすごくワクワクする仮説が語られています。

これは2018年に書かれた本ですが、この辺りは今のコロナ禍で受けているいろんなダメージの改善策ともなり得るんじゃないかとも、読んでて思いました。

個人的にはデジタル化やオンライン化がどんどん進む(進んで欲しい)と、このコロナ禍で混乱する日本社会を見て感じていますが、その先はVR化する未来も待っているのかもしてない(待っていて欲しい)と思わされる一冊でした。

今のVRのことを知るのにも分かりやすくて最適な本ですが、自分の興味の持ったことにガンガン行動していく素晴らしさや勇気も再認識できる良書だと思いました。図書館で借りましたが本棚に入れておく用に購入もしました。

気になりましたらぜひご一読を。